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TheSonicBird の音楽家生活

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● オーケストラ演奏会第2回打ち合わせ

 先日話し合ったコンサートマスター氏と、今日は第2回の打ち合わせをして来ました。

 まず問題となったのは曲目です。

   モーツァルト:交響曲第29番イ長調
   モーツァルト:バイオリン協奏曲第5番イ長調
   モーツァルト:交響曲第40番ト短調

 一見バランスの取れた曲目構成ですが、そう見えて二つも大きな問題を孕んでいたのです。第一には調性です。イ長調が2曲並んでいますね。こういった組み合わせで音楽を聴くと、人間て無意識に飽きるものです。
 調性では、さらには5度圏の問題があります。「ド」から「ソ」、「ソ」から「レ」というように5度圏を上がって行くほど、人間の気持ちは無意識のうちに高揚します。ところがこの組み合わせでは後半に向かって大きく落ち込んでしまうのです(「ラ→レ→ソ」と2回落ち込むのではなく「ラ→レ→ソ→ド→ファ→シ♭」と5回落ち込んだところの、変ロ長調の裏のト短調ということになります)。
 つまり無意識に飽きる上に、無意識に落ち込んで行く曲目編成。最悪ですね。

 もう一つの問題は「聴きごたえがあり過ぎる」ことです。バイオリン協奏曲第5番イ長調も、交響曲第40番ト短調も、モーツァルトの純粋器楽曲としては大曲の部類に入ります。その前にやや小振り(中曲?)の29番を持って来たのですから、お客さんは疲れてしまいますね。

 ところがどれかを別の曲で置き換えたところで、絶対にうまく行かないのです。何しろ給料を払ってプレイヤーを抱えているわけではないので、「降り番(いずれかの曲目で演奏を降りる奏者)」をたくさん作れば不経済です。「ああでもない、こうでもない」と、約2時間議論しました。
 そこでコンセプトに立ち返ることにします。私のコンセプトは「聴いてくつろげる質の良い室内オーケストラの演奏会」です。ところがコンサートマスター氏は面白いことを言いました。

「TheSonicBirdさん、ルネッサンスやバロックをやって来ているでしょ。その指揮者がモーツァルトをやると面白いんじゃないか。チラシにもそれを謳うつもりですよ。だから交響曲2曲の前にそれを強調する曲を1曲付ければいい」

 なるほど。名刺代わりの「古楽序曲」というわけです。そういった曲ならいくらでもポケットから引き出せます。ただし最大でモーツァルトよりもさらに150〜200年古い音楽になります。オーケストラの楽器の奏法はまるで違います。

「それすごくいいね。だけどプレイヤー、付いて来る?」
「1曲だけならやるよ、ノンビブラートだって何だって」
「それならすごく刺激的な曲があるよ」

 古い音楽というと大人しそうに思えますが、意外と刺激的な響きを持っているものが多いのです。曲目はこんな具合にまとまりそうです。

  ● 初期バロック:歌劇序曲
  ● モーツァルト:交響曲第39番変ホ長調、あるいは第40番ト短調
  ● モーツァルト:交響曲第41番ハ長調「ジュピター」


 ここでコンサートマスター氏がタイムアウトです。約2週間後に次回の打ち合わせを約束して別れました。ちなみに演奏会日程は2013年3月1日(金)の予定です。


   
# by TheSonicBird | 2012-05-14 22:47 | 器楽曲と指揮 | Trackback | Comments(0)

室内オーケストラ計画始動

 ある街のオラトリオ系合唱団とプロ奏者による室内オーケストラの演奏会を2年に1回指揮していたのですが、昨年の演奏会の後、コンサートマスター氏から「自分がコンサートマスターを務める演奏団体の1つを指揮してほしい」というお誘いを受けました。コンサートマスター氏に決定権はありませんが、紹介の労を執っていただけるとのことです。一も二もなく快諾しました。
 ところがなかなかうまく話は進みません。コンサートマスター氏も「そう簡単じゃないよ」というアドバイスを受けたそうです。

 私自身は昨年末から3月まで教え業で忙しく過ごす中で、徐々にある考えが頭の中でまとまってきました。そして多忙期間が終わったところで1日冷却日を置いて頭の中を整理し、コンサートマスター氏に電話をしてみました。

「いっそのこと、○○○(コンサートマスター氏が話題にしている演奏団体名です)のお膝元でオーケストラ演奏会をしてみませんか?」
「お、いいですねえ。私は年に2回くらいオーケストラ演奏会を企画していたのですが、このところ身の周りで色々あって、ちょっと休んでいたんですよ。ちょうど周りからも早く次のをやってくれと言われていたところです」

 話し合ううちに当初の「○○○のお膝元」といった意識はなくなり、まったく新しい企画になっていきます。

「いっそのことプロオケ(プロフェッショナル・オーケストラ)の演奏会を立ち上げてしまいましょうよ」

 そこで昨日、ある程度のメモをまとめて、コンサートマスター氏と会って来ました。

 実際に会って話してみると彼は非常にシビアです。次々と質問が飛び出して来ます。まるで面接試験を受けているみたいです。考えてみれば当然ですね。お互い、音楽的にも、興行的にも、演奏会を成功させなければならないのですから。

 最初に話し合ったのはコンセプトです。彼は面白いことを言いました。演奏会を企画するときは、まずチラシ&ポスターのデザインから作るのだそうです。確かに「こんな雰囲気の演奏会にしよう」というのが、頭の中で視覚的にまとまりますね。それに基づいて選曲したり、キャッチコピーを作ったりするわけです。

 オーケストラ・メンバーはやはり全員プロにお願いすることになりました。「自分のために勉強したい」というプレイヤーではなく、「お客さんを楽しませたい」というプレイヤーで統一したかったからです。

 コンサートホール使用料に関しては、市の助成を受けないことになりました。助成を受けると、市の企画する演奏会への出演義務が生じてしまうからです。これに関しては既に織込み済みで予算を立てていたので問題ありません。

 曲目は、私が考えていたのは次のとおりです。

  モーツァルト:交響曲第29番イ長調, KV.201
  モーツァルト:バイオリン協奏曲第5番「トルコ風」イ長調, KV.219
  モーツァルト:交響曲第33番変ロ長調, KV.318

 ところがバイオリニスト氏は難色を示します。「目玉となる曲が無い」と言うのです。確かに聴いたお客さんは満足出来るプログラミングのはずです。けれどもお客さんが足を運ばなければ意味が無いのです。そこで次のように変わりました。

  モーツァルト:交響曲第29番イ長調, KV.201
  モーツァルト:バイオリン協奏曲第5番「トルコ風」イ長調, KV.219
  モーツァルト:交響曲第40番ト短調, KV.550

 アンダーラインの部分が変更された部分ですが、有名曲です。



 これならお客さんも演奏会場に足を運びやすくなります。ただし弦楽器奏者の人数を増やさないと良く響かない曲なので、費用は若干増えることになります。最終的な曲目決定は、少し先になると思います。バイオリン協奏曲は変わるかも知れませんが、交響曲2曲はこれでほぼ決まりになるのではないかと思います。

 室内オーケストラをゆったりと聴くという、時間と空間と音を楽しんでいただける演奏会にしたいと思っています。


   
# by TheSonicBird | 2012-04-07 02:38 | 器楽曲と指揮 | Trackback | Comments(0)

録画:中世のクリスマス音楽



 6年ほど前の12月にクリスマス音楽ばかりの演奏会をしました。ちょうどクリスマスの時期が近付いてきたので、ふとあのときのビデオを未編集のままだったことを思い出し、編集してみました。

 演奏会は、休憩を挟んで前半をアドヴェントからクリスマスに至る流れの中で、中世の聖歌やキャロルを演奏してルネッサンス末期の巨匠パレストリーナのモテットで締めくくり、後半は中期バロックのシャルパンティエの「真夜中のミサ曲」を演奏するというプログラミングでした。前半は女声7名のみの無伴奏で、後半は男声と器楽アンサンブルがそれに加わります。ユーチューブ動画では著作権の関係上、休憩前の無伴奏曲6曲のみを収録しています。

 日本に住んでいるとクリスマスの明るさが気になります。ベツレヘムの馬小屋の中でろうそくが何本か灯されたようなほの暗い明るさ、それがクリスマスの明るさなのではないかと思います。少なくともドイツに住んでいた頃、クリスマスシーズンに訪れた場所はすべてそんな明るさの世界でした。それは家族など、ごく親しい者が集まって祝い合う、内輪のしみじみとした喜びの集まりという印象でした。

 6曲中3曲は正式な教会音楽ではなく一種の民謡です。旧約聖書の記述に基づく救世主の降誕を待ち望む、よく知られた聖歌「来たれ、インマヌエルよ」に続いて、こういった民謡=キャロルが歌われます。こういったキャロルの特徴は3度と6度の平行です。独特な面白い響きです。


 もちろん厳密に3度と6度の音程関係を保つのではなく、「若干各声部が独立したポリフォニックな動きをしながらも、だいたい3度と6度で平行するように進んで行く」というものです。

 「ルライ、ルライ」は一種の子守歌です。聖母マリアは幼子キリストに彼が将来どのような役割を背負って生まれたのかを話して聞かせています。ソプラノ独唱はその子守歌のリフレインを、そしてアルト独唱がその内容と情景を語ります。途中ハミングで対旋律を入れている演奏を聴いたことがあるので、私も試してみました。

 歌詞は部分的にラテン語の混じった中世英語です。幸いなことに、ある大学の古典英語の先生が知り合いの知り合いにいたので、発音指導を受けることが出来ました。ドイツ語の発音に近い部分が多くて助かりました。

 パレストリーナの終盤近くからグレゴリオ聖歌の前半にかけて音程が乱れますが、ご容赦ください。




   
# by TheSonicBird | 2011-11-28 20:55 | 合唱曲 | Trackback | Comments(0)

神と仏

子供の合奏の指揮者の指導をしたときのことです。

指揮をしていたのは30代前半の保育士さんで、私が何かを注意をするたびに「はいっ!」と威勢の良い、はきはきとした返事をします。リズミカルな曲で、彼女は懸命に拍子を取っています。

私は止めて言いました。

「ちょっと指揮にアクセント付けすぎだよ」
「はいっ!」

再び合奏が始まります。指揮はまるで変わりません。私はまた止めて言います。

「低音に乗って自然に揃う曲だから、そんなに大きく拍子取らなくていいんだよ」
「はいっ!」

また合奏が始まります。良い返事の割には指揮は全然変わりません。これでは指揮が合奏を邪魔してしまいます。そこで私は再び止めて、根本的な理解を促すことにしました。

「あなたは2つのことを信じなさい!」
「はいっ!」

このあまりにもはきはきとしていながら、それでいてほとんどひとの話を聞いていないような返事が、私のいたずら心に火を点けました。本当は「子供達がしっかりと揃って演奏出来ることを信じなさい」と、「そんなに力を入れなくても自分がきちんと指揮出来ることを信じなさい」と続けるつもりだったのです。しかし思わず言ってしまいました。

「神と仏!」
「はいっ!」

一瞬の静寂のあと、リハーサル会場は関係者一同の大爆笑に包まれました。


   
# by TheSonicBird | 2011-10-24 22:48 | 器楽曲と指揮 | Trackback | Comments(0)

ヴィクトリア:2人の熾天使が呼び交し合った

 アマチュアの合唱ばかりを公開してしまったので、音楽を勉強した人達との動画をお知らせしておきましょう。私が主催していた女声の古楽アンサンブルに、地域でも有数の古楽合唱団の男性陣と古楽器奏者に加わっていただき、カンタータの演奏会を行なったときの録画です。この曲のあとでバッハのカンタータ第4番と第131番というプログラミングでしたが、演奏の著作権が私の管理内にあって、私の裁量で動画を公開出来るのは残念ながらこの曲のみです。

# by TheSonicBird | 2011-10-17 03:30 | 合唱曲 | Trackback | Comments(0)
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仕事の中で得た考えやノウハウを公開しています。よろしくお付き合いください。


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