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カンタータプロジェクト:小沼和夫

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モテット「イエス、わが喜び」リハーサル

5月20日の、福岡でのカンタータプロジェクト2019に向けて、昨21日、出演する独唱陣の本拠地広島でのリハーサル風景です。モテット「イエス、わが喜び」は、合唱ではなくこの5人の独唱陣+チェロ、オルガンで歌います。

合計7人の少人数を指揮するというのは初めての経験です。昨日のリハーサルでは5人が、私がやりたいと思っていることをどんどん先取りしていくという、エキサイティングな経験でした。演奏会が楽しみです。



# by TheSonicBird | 2019-04-23 22:13 | ● 演奏会情報

WIXでもサイトを公開しました

検索エンジンの対応、見やすさなどの比較のため、両サイトを順次更新していきます。両サイトを訪問してみてください。
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# by TheSonicBird | 2019-04-02 03:02

新規サイト開設致しました

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# by TheSonicBird | 2019-03-23 11:32

カンタータプロジェクト2019

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# by TheSonicBird | 2019-03-08 01:27

初期カンタータBWV12、BWV131のピッチ選択

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 バッハが活躍した時代には、各都市ごとに二通りのピッチが存在するのが普通でした。カンマートーンと呼ばれる室内楽用のピッチと、コーアトーンと呼ばれる教会用のピッチ(絶対音高)です。オルガンはその他の楽器とはまったく別個に調律されたため、このような二種類のピッチが生じてしまったのです。

 カンタータ演奏では、カンマートーンの楽器とコーアトーンの楽器とが混在することになります。そのためカンタータを現代に再現するためには、この二者の間でどのように統一が図られていたか、知る必要が出て来ます。


 まずバッハの周辺のピッチはと言うと、カンマートーンは一貫して概ねa'=ca.415Hz前後だったようです。そしてコーアトーンはだいたい以下のとおりになるようです。

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 バッハのカンタータは、ミュールハウゼン期とヴァイマール期とを合わせて「初期カンタータ」、そして1723年以降に作曲されたカンタータは「ライプツィヒ期のカンタータ」、または「ライプツィヒ・カンタータ」などと呼ばれています。初期カンタータとライプツィヒ・カンタータとでは作風や演奏習慣が大きく異なるので、この区分はかなり重要です。


 各楽器のピッチ特性は下記のようになります。

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 ミュールハウゼンとヴァイマールでのカンタータ演奏は、それぞれの地のコーアトーンに統一され、ライプツィヒではカンマートーンに統一されていました。そのためミュールハウゼンとヴァイマールでは木管楽器が移調楽器の扱いになり、ライプツィヒではオルガンに、パート譜のみ移調譜が用いられていました。

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 尚、初期カンタータの多くはライプツィヒで再演されていますが、その際は基本的にはカンマートーンで演奏されていました。実音譜に戻された木管楽器と、長2度低く移調されたオルガンのパート譜が残されているので、書き起こします。

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 ライプツィヒで再演された初期カンタータは、長2度から短3度低いピッチで再演されることになります。声楽声部は良い音域から当然外れることになります。BWV4、BWV21などで、バッハは合唱にトロンボーンの追加を行なっていますが、これは単に音色上の変化を狙っただけはなく、低くなって失った分の響きを補充しているのかも知れません。


 コーアトーンで初演された初期カンタータを現代に再現する際、次の3種類の方法が考えられます。

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 これらの方法は、すべて一長一短です。何故「一長一短」なのかを理解するためには、以下のことを理解しておく必要があります。

 つまり「i」の初演通りのコーアトーンは完璧な再現ですが、常日頃カンマートーンで演奏活動を行なっている弦楽器奏者にとっては、「c」の理由で楽器に無理を強いてしまうのです。


 「ⅱ」の移調譜では、「a」と「b」の問題が出て来ます。つまり移調によって、調の性格や、本来の音色が崩れてしまうのです。


 「ⅲ」はバッハが多用している方法ではありますが、初演よりも長2度から短3度低く演奏することになります。独唱・合唱はよく響く声域から大きく外れることになります。


 現代の演奏会では「ⅱ」の移調が、解決法として多く用いられています。ある意味、やむを得ない妥協です。ただし日数をかけるレコーディングや、日数に余裕のある初期カンタータの演奏会シリーズなどでは、「ⅰ」の、コーアトーンによる演奏も不可能ではないですし、実際に行なわれてもいるようです。


 今回の "Aus der Tiefen rufe ich, Herr, zu die" BWV131と "Weinen, Klagen, Sorgen, Zagen" BWV12は、いずれも長2度高く移調して演奏する予定です。


 BWV131はa'=466Hzのミュールハウゼン・カンタータですから、ト短調をイ短調に移調します。「ⅱ」の方法です。


 ドリア記譜ヘ短調(♭3個)のBWV12は、a'=500Hzのヴァイマール・カンタータです。

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 a'=500Hzで演奏されたはずのこのカンタータも、a'=466Hzに当たるト短調に移調して演奏することには理由があります。


 a'=500Hzで演奏されたはずのヘ短調のBWV12で、初演時と同様の管楽器用移調譜を作ろうとすると、変イ短調になってしまいます。キーの少ない当時の管楽器にとっては、圧倒的に不利な調です。バッハが初演のためにわざわざ管楽器にとって不利な調を選ぶとは考えられませんから、ヘ短調:a'=500Hz自体に間違いがあるのかも知れません。

 それに加えてBWV12には、通常だったらカンマートーンで演奏されるはずのライプツィヒ再演の際、異例にト短調に移調されているのです。おそらく変ホ短調という著しく濁った調になってしまう、オルガンパートの救済のためだと思われます。

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 だとするならば、確かな記録が残っている調で演奏するのがベストだと判断されます。


 尚、ここで注意が必要な事柄があります。非平均律とは言うものの、オルガンと弦楽器とでは、同じ調でも音律が異なるということです。オルガンは調律が終われば、固定ピッチの楽器です。弦楽器は開放弦を基準に、その都度音程を作ります。つまりアンサンブルの和音は、弦楽器とオルガン(チェンバロ)とで、常に微妙にピッチがずれているということです。そしてそれを揃えることは、少なくともカンタータ演奏では不可能だったと考えるのが順当です。

 たとえばカンタータ "Ich hatte viel Bekümmernis" BWV21は、ライプツィヒでハ短調のカンマートーンで演奏されました。このときコーアトーン楽器のオルガンは、変ロ短調の移調譜で演奏されたのです。恐ろしいほど濁る調です。もしアンサンブルがオルガンにピッチを合わせて演奏したら、聴くに耐えない響きになっていたことでしょう。これは極端な例ですが。

 そこに合唱という、音律的にはまったく異質なグループが追加されます。カンタータ演奏とは、一言で言えば「音律の巣窟」です。揃えることが出来ないはずの音律の、揃えられない部分をいかに隠し、共鳴していないはずのグループ同士を、いかに共鳴しているかのように聴かせるかも、カンタータ演奏の難しさの一つです。





    


# by TheSonicBird | 2019-03-08 01:24 | ● ピリオド奏法

現代から遡って過去の作品に至るのではなく、ルネッサンスから下って来てバロックや古典に至る。それが私の視点です。そのために自分の感性や人格を改造し続けています。その過程に共感していただければ幸いです。


by TheSonicBird
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